熊本近代文学研究会11月例会のお知らせ

熊本近代文学研究会 会員各位

拝啓 時下ますますご清栄のことと存じます。
さて、熊本近代文学研究会 11月例会を下記のとおり開催いたしますので、ご案内申し上げます。

    記

【日時】  11月24日(土) 午後2時より
【会場】  熊本大学くすの木会館 レセプションルーム
【発表者】 堀畑 真紀子 氏
【発表題目】児童文学における継子譚
      −小川未明「めくら星」(1919)「糸のない胡弓」(1920)−

【発表要旨】
 日本の神話をはじめ説話、物語には、ある尊貴な出自を有する主人公が災いによって地方に流離し、苦難を経てさらに復活するという、いわゆる「貴種流離譚」の物語展開を持つ話が多々ある。そしてこの「貴種流離譚」は、日本の昔話、ひいては近・現代の児童文学の中にも脈々と引き継がれている。今回発表する「継子譚」はそのバリエーションと言われている(折口信夫説)。本論は「継子譚」が時代によってどのように変化したかをさぐることで、児童文学における「貴種流離譚」の特徴を導き出すことを目標とする。
 発表では、まず「継子譚」の背景、室町時代の継子物語「鉢かづき」「はな世の姫」「うはかわ」の特徴、昔話の特徴を先行論文にみる。次に、近代児童文学の開拓者・推進者の一人である小川未明の「めくら星」「糸のない胡弓」の分析をすることで、彼の「継子譚」の特徴を考察する。

 * 小川未明「めくら星」「糸のない胡弓」は『定本 小川未明童話全集』1巻・2巻(講談社)に収録。
                         敬具
   11月 8日
             熊本近代文学研究会
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* 坂元です。会員の皆様におかれましては、ご多忙のことと存じます。
上記のとおり、次回例会を企画しておりますので、ご案内申し上げます。

* 前回例会は、宮崎尚子氏による川端康成の小説「たまゆら」に関する研究発表が行われました。宮崎氏の詳細な「たまゆら」への読みを踏まえて、発表後の質疑においては、ご発表をめぐって活発な議論が展開されました。
 当日にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

* 次回例会は、堀畑真紀子氏が「児童文学における継子譚」というタイトルで、小川未明の2つの作品に関してご発表をされる予定です。児童文学に関する精力的なご研究を続けておられる堀畑氏ならではの興味深い報告が期待されます。当日はご参加いただけましたら幸いです。
 なお、ご発表対象の小川未明作品のコピーを数部ほど、坂元の方でお預かりしておりますので、ご希望の方にはお渡しいたします。

* 11月は近代文学会九州支部の熊本での秋季大会も予定されており、会員の皆様には2週連続で学会・研究会が続く形となり、まことに恐縮です。研究会の定期開催という本年度の4月の方針もあり、ご理解を賜れればと存じます。なお、例会通知が遅くなりましたことについて、お詫び申し上げます。

* それでは、例会当日に皆様にお目にかかるのを楽しみにしております。
暑さの続いた熊本も、11月に入り、朝晩はめっきり冷え込むようになりました。
風邪などひかれませんよう、会員の皆様、お体はどうぞご自愛ください。
                         (坂元)