熊本近代文学研究会 5月例会のお知らせ

事務局より坂元昌樹さんからのご案内をお知らせ申し上げます。

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熊本近代文学研究会 会員各位

拝啓 時下ますますご清栄のことと存じます。

さて、熊本近代文学研究会 5月例会を下記のとおり

開催いたしますので、ご案内申し上げます。

    記

 【日時】  5月26日(土) 午後2時より

 【会場】  熊本大学 文学部会議室

 【発表者】  大坪 利彦 氏

 【発表題目】 近代日本における都市と大衆文化の諸相
         −−夏目漱石彼岸過迄』を中心に−−
 【発表趣旨】
 『思想としての東京』(磯田光一・1978年)や『乱歩と東京』(松山巌1984年)に見られる研究スタイルは、その対象となる文学テクストがそれを生み出したコンテクストでもある〈都市 = 首都東京〉と不可分に結びつけられ、寧ろ共犯関係とも呼べるような相互媒介的なテクストとして読み解かれていく。そのときの解読の〈鍵〉は多様で、例えば近代国家としての法整備により実現されつつある社会システムであり、次第に可視的になってきた都会的建造物(あるいは失われゆく旧建築物)であり、鉄道や自動車などの近代的交通網や通信手段であって、このように新たに人々の都会生活において受容され変容されてきた生活文化の諸相と文学テクストとを密接に交差させ結び付けていく方法である。
 この近代化されてゆく〈都市 = 首都東京〉を、様々な文化記号に満ちた多様なテクストを生み出していく「場」、つまり〈トポス〉として機能している〈磁場〉として対象化し、そのような文化生産されていく各種のカテゴリーにおける文学テクストのあり方を検討していきたい。文学テクストというメディア(表現媒体) が、同様に一つの〈制度〉として可能になっていることを考慮するなら、その外部に存在するコンテクストとどのように結びつけられているのか、文学テクストに内在している様々な問題が、国家および社会そしてその基盤となっている制度 (システム) によってどのように規定されているのかということについて、今回の報告では、夏目漱石彼岸過迄』(1912)を中心として考えたい。

 ※発表資料は、当日配布の予定です。

                         敬具

    5月 7日
             熊本近代文学研究会
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* 坂元です。会員の皆様におかれましては、ご多忙のことと存じます。
4月例会での今年度の研究会日程・運営に関するご相談を踏まえまして、
上記のとおり5月例会を企画しておりますので、ご案内申し上げます。

* 前回例会より間があく形となり、会員の皆様にはまことに申し訳なく
存じます。ご連絡が暫く滞りましたことも含めて、お詫び申し上げます。

* 5月例会は、夏目漱石川端康成堀辰雄に関して、従来から多くの
ご研究を発表しておられる大坪利彦さん(本年度より熊本大学大学院
社会文化科学研究科に在籍中)による漱石彼岸過迄』に関するご発表が
予定されております。ご多忙の折ですが、ご参加いただけましたら幸いです。

* 先の4月例会では、本年度の研究会運営・例会日程等に関して、
いくつかの事項が確認されました。本年度の例会予定は、以下の通りです。

2007年4月 研究会運営・本年度の計画について(4月28日)
5月     研究発表 大坪利彦さん (5月26日)
6月     研究発表 李詠青さん (6月30日)
7月     研究発表 道園達也さん (7月28日)     
8月     夏季休会または研究発表の予定 (期日未定)
9月     研究発表 宮崎尚子さん (9月29日)
10月     秋季読書会または研究発表の予定  (10月27日)
11月     研究発表 堀畑真紀子さん (11月24日)
12月     研究発表 古江研也さん (12月15日)
2008年1月     研究発表の予定 (未定)
2月     休会または研究発表の予定 (未定)
3月     休会または研究発表の予定 (未定)
4月     研究発表 古閑章さん (未定)

* 皆さまのご協力で、充実した年度計画が出来ましたことに、
深く感謝いたします。本研究会が、持続的な研究会として少しでも
活性化していきますように、今後力を尽くしていきたいと存じます。
今後とも、会員の皆様のご協力をお願い申し上げます。

* 上記の発表予定者や期日は、今後変更の可能性もございます。
また、本予定表以外でも、研究発表をご希望される方がおられましたら、
大いにご発表を歓迎いたしますので、どうぞ気軽にご相談ください。

* 気候の変化の急な折柄、会員の皆様、お体はどうぞご自愛ください。
                             (坂元)